輝く女性たち

山本直希さん / 山本美術館 館長

化粧の女(橋口五葉)


 

 

 

 子どもの頃、自宅リビングのピアノの側に橋口五葉の「化粧の女」が飾ってあり、子どもながらに妖艶な女性の姿をドキドキしながら眺めていた記憶があります。

 それから時が経ち、大学の卒論テーマを考えた時、橋口五葉の作品が脳裏に浮かんできました。

 有難い事に小さい頃から美術作品に親しむ生活をしていたので、自分の意思で美術鑑賞をするようになった時は西洋絵画に興味を持ち、海外の主な美術館を巡っては様々な有名な作品を実際に目にして心躍らせていました。

 

 父が浮世絵等の蒐集を本格的に開始したのが20数年前、私はちょうどその頃、東京に在住していました。

 年に数回ある浮世絵オークションは東京で開催されていたので、参加するために上京する両親と一緒に参加し、レアな浮世絵を間近で見ることができました。

 そうして、徐々に浮世絵にも興味を持ち始め、日本の伝統文化の奥深さを痛感しました。

 それから、有志による長崎古版画の研究会や国際浮世絵学会などに参加、国内外の美術館巡りを頻繁に行い、知識を深めてきました。

 蒐集作品数が多くなり、いつか美術館を建てたいという両親と私の希望を持ち、それに向けて大学に編入して学芸員資格を取得。

 その間、美術館の建設地として現在美術館の建つこの土地を購入。4年後に美術館建設に至り、2006年1月、個人美術館「山本美術館」を開館しました。

 

山本美術館


 

雲仙市市民講座で解説を行う館長

 

 個人で美術館を運営することは容易ではなく、入館料だけでは成り立ちません。

 広告料が発生する宣伝はできませんが、新聞や雑誌、webなどの無料ツールを活用しており、ホームページの充実を図り、ブログの更新は二日に一度行っております。

 ホームページをご覧になった東京や名古屋など遠方に住む方にご来館頂くこともあり、とても嬉しく思います。

 開館当初から、島原半島にある美術館・博物館10館で構成する「島原半島博物館めぐり」協議会にも参加し、今年度から事務局も担当しております。

 島原半島にある博物館と連携をして意見交換を行い、島原半島の魅力発信を行っております。 

 

 

 

 年に一度、長崎在住のギタリスト・山口修さん、奥様でソプラノ歌手の純子さんのお二人の音楽に合わせて、常設展示作家の版画家・小﨑侃先生が即興で絵を描くコンサート内容の「あいの丘 秋の名月コンサート」を開催しています。

 私たちの一年の節目にもなるコンサートは、毎年の開催を心待ちにしている地域の皆様の声も良く耳にします。

 今後もできる限り、続けて行きたいと思います。

 

2018年9月「あいの丘 秋の名月コンサート」の様子

フラワースクールの様子


 

 

 併設サロンは、年に数回ミニコンサートや会議やパーティーなどでも利用頂いております。

 今一番力を入れているのが、2015年4月に始めたプリザーブドフラワーを主としたフラワー教室です。

 お花を通して地域の皆様が触れ合う、憩いの場を提供したいと思い、講師資格とインストラクター資格を取得しレッスンを開始しました。

 それから4年半が経ちますが、徐々に生徒様も増え、生徒様から講師も誕生しフラワーアーティストとして活躍している女性もいます。

 将来は、長年お稽古を続けている華道も、お教えできるようになりたいと思います。

 

(更新 平成30年11月)

 

 

ライフ年表

21歳 ミスユニバース九州代表 その後東京でモデル業に従事
30歳 モデル業の傍ら、学芸員資格取得
32歳 個人美術館開設 館長就任
33歳 雲仙市観光協議会理事に就任 主に観光大使の教育係を担当
40歳 プリザーブドフラワーの講師資格、インストラクター資格取得
41歳 フラワーデザインスクール「Art Salon Style」を開校

  • 現在の仕事(活動)を始めるきっかけ又はやりがい
  • 大学生の頃からモデルのアルバイトをしていて、そのままモデルが本業となりました。
    しかし年を重ねていく中、将来ずっと続けていく事のできる仕事ではないなあと感じ始めた時に「美術館開館」の夢を持つことができました。
    それから大学に編入して学芸員の資格を取得し、美術館開館の夢が現実のものになりました。
    ご来館の皆様から「見に来て良かった」「これだけの作品を集めるとはすごいですね」等の一言でも声をかけて頂けると、開館して良かったと思いますし、意欲が湧きます。

  • 仕事(活動)と家庭の両立で工夫していること
  • 終日を美術館で過ごす毎日なので、母に甘えている所が大きいのですが、会社勤めをしている母の家事負担を減らす為に、平日の夕飯作りは私の当番にしており、仕事の合間にサロンのキッチンで家族の食事を作っています。

  • プライベート(休日)の過ごし方
  • 休館日も普段できない館外の仕事等をしていることが多いので、一年に一度、両親に美術館を任せて小旅行に出かけるようにしています。
    趣味の美術鑑賞やオペラ鑑賞をしたり、大好きな温泉地でゆっくりしたりゴルフをしたりしてリフレッシュしております。

  • 座右の銘(好きな言葉)
  • 【小さな目標をコツコツと積み重ねると大きな夢が叶う】

    大きな夢を一気に叶えることは難しいですが、近くの目標をいくつか立て、それをコツコツと実践していき積み重なると、いつかは大きな夢が叶う。
    これは私の実経験から成る言葉で、モットーにしております。

  • これからしたいこと(今後の目標)
  • ・20才頃から私自身を用いて「美」を伝えるお仕事をして12年、その後美術館を開館してからは美術作品を通して「美」を伝え、美術館に集う皆様の輪を結び広げていって12年、これからも「美」の伝道師であり続けたいと思います。
    ・公共の美術館との差別化を図り、地域の皆様が気軽に立ち寄れるアットホームな雰囲気を大切にし、敷居が高いと思われがちな美術館の概念を覆したいと思います。
    そして地域の文化発展、子どもたちの情操教育にも役立つことができればと思います。
    これからも親娘二人三脚で尽力して参ります。

  • 後輩女性へのメッセージ
  • 当館でご紹介している浮世絵は、世界に誇る日本美術の一つです。
    長年続けている華道も然りですが、日本の伝統文化(華道、茶道、書道、芸能文化など)や芸術を「温故知新」で後世まで大切に継承し続けてほしいと思います。
    その継承には、しきたりや秩序を重んじる背景があり、容易い事ではありません。
    しかし、私は中間人(中年世代)として、後輩の皆様に伝え残す役割があると思っているので、この思いを引き継ぐ方々が、一人でも増えるように願います。