輝く女性たち

入江詩子さん / ORGANIC & COMMUNICATION LAB. 代表

入江詩子さん

 

 私は、2018年3月に30年間勤務した大学を辞め、企業や個人にマインドフルネスとアサーティブネスをベースにしたコミュニケーショントレーニングや、マインドフルネスベースのコーチングを提供しています。

 また、一般社団法人マインドフルインスティテュート(MiLI)のコーチ養成講座であるマインドフルネスベースドコーチキャンプ(MBCC)のコミュティオガナイザーとして、受講生のサポートやプログラム開発などに携わっています。

 マインドフルネスとは、今をありのままにしっかりと認識するという心の在り方です。

 実践すれば高めることができ、心身の健康や能力の向上など多くの成果が目され、医療・心理はもちろん、現在は人材育成・組織開発の基盤づくりとして取り入れられるようになっています。

 私は、1988年から長崎県内の大学教員として福祉専門職の養成に関わり始めました。

 ちょうどその頃、アジアからの出稼ぎ女性の問題を知り、もっとアジアの貧困問題を深く知りたいと思って、1989年にHIV感染爆発直前のタイを初めて訪問しました。

 1990年代の終わりにはHIV感染者が次々と亡くなっていた北部タイを訪問。ご縁が繋がり現地のNGO(民間援助団体)とともに、HIV感染者の支援活動を始めました。

 そしてそこで、自分たちの現状を変えるために立ち上がり、生き生きと変化していく村の感染者の方々の姿を目の当たりにして、人間の限りない可能性とその可能性を引き出すワークショップ(参加型グループ学習)の力を実感しました。

 これをぜひとも日本に広めたいと思い、地域づくりにおける人材育成のあり方について研究をすすめました。   

  一方日本ではバブル経済が崩壊して、それまでの安定した社会や価値観が急速に変化して地域のつながりも薄くなり、学生たちのコミュニケーション力は低下するばかりでした。

 また私自身も父親がアルコール依存症という家庭で育ち、コミュニケーションに課題を持っていました。そのため2004年から特定非営利活動法人アサーティブジャパンで、対等な関係性に基づく双方向性のコミュニケーションであるアサーティブネスを学び、2009年にスタンダードトレーナー資格を取得しました。

 それ以降、主に長崎県内各地で高校生から学校の先生、定年退職後の方々まで、6,000人余りを対象にアサーティブネスに関する講演や講座を実施し、安心安全なコミュニケーションの考え方と方法についてお伝えしてきました。

 そのなかで多くの方がコミュニケーションに関してなんとなく身に着けておられるので、たとえハラスメントがいけないと分かっていたとしても、また意見を交えることがお互いの状況を改善しよりよい成果を生み出す一歩となることが分かっていたとしても、適切な伝え方が分からないでいることを実感しました。 

入江詩子さん

入江さん作コンフィチュール

  2010年代に入ると、グローバリゼーションの影響で雇用環境が激しく変化し、正社員の削減、非正規雇用者の増大などで過重なストレスを抱え、心を病む人々が増えました。

 学生たちにもその影響がじわじわと出始め自分自身や将来に自信が持てず、ストレスで精神的に不安定な学生が増え始めました。

 そのような時に、ある報道番組でマインドフルネスがレジリエンス(ストレスから回復する力)を高めると知りました。

このころには、脳の科学的な研究がずいぶん進み、人が幸福を感じる仕組みもだんだんと明らかになっており、そこでもマインドフルネスが大きな力を発揮することを知りました。

 たまたま2016年に一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート(MiLI)のマインドフルネスベースのコーチ養成基礎講座(MBCC)の第2期生募集を知り受講を即決。あしかけ3年をかけて応用コースまで修了して、マインドフルネスやコーチングが人々のコミュニケーションのあり方を大きく変える可能性があることを確信しました。

 そして、2018年には国際コーチ連盟のアソシエイト・サーティファイド・コーチ(ACC)資格を取得し、プロコーチとしての活動をスタートしました。

 タイで出会った村のみなさんや大学で出会った学生たちの成長過程を思い出しながら、クライアントが個としてたくましく成長し、本来の人間らしさや精神の安定を維持しながら、クリエイティビティを会社や地域で存分に発揮できるようなコーチであり、コミュニケーショントレーナーでありたいと思っています。

 また、長崎県内であらゆる方にマインドフネスを知っていただき、実践を通してご自身の心身の健康を高め、情動に振り回されずに平穏で安寧な人生を手に入れるチャンスを得ていただければと思います。

 

特定非営利活動法人 子どもの人権アクション長崎 代表理事

特定非営利活動法人 ちいきのなかま 理事

 

長崎ウエスレヤン大学非常勤講師(コミュニケーション演習、児童福祉論、地域国際化論)

長崎県立大学非常勤講師(男女共同参画論)

長崎大学大学院非常勤講師(国際理解ワークショップ)

 

ORGANIC & COMMUNICATION LAB.代表

特定非営利活動法人 アサーティブジャパン スタンダードトレーナー

一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート MBCCコミュニティオーガナイザー

国際コーチ連盟ACC(アソシエイト・サーティファイド・コーチ)

一般社団法人ジェロントロジー協会 INGGAAエイジレスセラピスト

保育士

 

国際ソロプチミスト諫早クラブ賞受賞(タイ北部HIV感染者支援活動により)

(更新 平成30年10月)

 

 

 

 

 

コンフィチュール、おいしいですよ

 

ライフ年表

32歳 長崎ウエスレヤン短期大学で働きながら大学院修士課程修了。調査のため初めてタイを訪問。 
33歳 第1子出産 年に数回タイでの調査は続けた。
35歳 第2子出産。次男がダウン症のため入退院を繰り返し、あまりの忙しさにこのころのことは思い出せない。
40歳 タイ北部HIV感染者支援本格化。NGOチュワイカン長崎立ち上げ(現在終結)。学生たちを引率し現地で研修を重ねる。
49歳 (特)アサーティブジャパン スタンダードトレーナー資格
58歳 長崎ウエスレヤン大学退職。国際コーチ連盟ACC取得

  • 現在の仕事(活動)を始めるきっかけ又はやりがい
  • クライアントが本来持っていた自分の力を、自分自身へのチャレンジによって引き出し、それが自己信頼へとつながって人生を自分のものとして切り拓いていく逞しい姿を見せてくれた時に、本当に幸せを感じます。
    すべての人は成長できると、確信させていただく瞬間にやりがいを感じます。

  • 仕事(活動)と家庭の両立で工夫していること
  • 現在、84歳の母とダウン症の22歳の息子と生活しています。
    やりたい仕事や学びたい研修に、気軽に行けないのが最大の悩みですが、家族の幸せは私の幸せです。
    まずは二人に健康でいてもらいたいので、食事や運動にきがけています。
    そして、家族や友人、制度に助けてもらいながらそのつど折り合いをつけて仕事を続けています。

  • プライベート(休日)の過ごし方
  • 家族の用事や家事で終わる日も多いです。母や息子とゆっくり過ごしたり、外出先で楽しんでくれる時間も大切にしたいと思っています。
    ゆっくりお風呂に入る時間や、早めにベッドに入り本を読む時間も大切にしています。

  • 座右の銘(好きな言葉)
  • 【チャレンジなくして成長なし」あるいは、「やってみなはれ」】

    ひとは動いてみることで変化が起こるし、何かを得ます。
    人生に無駄な経験はひとつもなく、すべて意味があって起こるし、出会うと思っています。
    好奇心に突き動かされるという、私の行動特性でもあります。

  • これからしたいこと(今後の目標)
  • 実は、コンフィチュールクリエーターとして、長崎県内の果物や野菜を使ってコンフィチュール(ジャムのようなもの)も作っています。
    私にとってコンフィチュールづくりは、マインドフルネスの実践でもあります。 マインドフルネスを基盤に、コーチやコミュニケーショントレーナーとして活動を続けつつ 、長崎から世界につながるカラダとココロに優しいコンフィチュールも極め、障がいのある方や、通常の就労が難しい方の仕事づくりにつなげられたらと、大きな野望を抱いています。

  • 後輩女性へのメッセージ
  • ひとに何を言われても、あなたの人生はあなたのものです。
    大いなる野望をもって、前向きにチャレンジしてください。
    多少周りに迷惑をかけることがあっても、許してもらえる範囲なら、チャレンジあるのみ。受けた恩を大切に受け止めて、次の世代にバトンを渡していただければと思います。
    そして、もし子どものいる人生を選択したなら、子どものためにも、子育ては決してひとりでしない事。
    遠慮せずに、ゆだねてほしいと思います。